【eワラント初心者向け】ニアピンeワラントの解説 2018/03/27



 多くの投資商品は相場がこれから「上がるか」「下がるか」を予想するのに対して、ニアピンeワラント(以下、ニアピン)は満期日に相場が「いくらくらいになるか」というように水準を予想するタイプのeワラントです。そのため、ニアピンを使えば、相場が上にも下にも値動きしない局面でも利益を狙うことができます。

 ニアピンの対象となる原資産は「日経平均株価」と「米ドル」の2種類です。
 ニアピンには、権利行使価格ではなく「ピン価格」が設定されています。あらかじめ設定された満期日に、満期日の原資産価格(満期参照原資産価格といいます)がピン価格とピッタリ一致(ゴルフでいうならホールインワン)であれば、1ワラント当たり100円の満期受取金額が発生します。ピン価格と一致していない場合でも、ピン価格と満期参照原資産価格の差が一定の範囲内(ゴルフでいうならニアピン賞)であれば、ピン価格と満期参照原資産価格の差に応じた金額を受け取ることができます。ただし、ピン価格と満期参照原資産価格の差が一定の範囲を超えてしまうと、満期受取金額は0円となります。

*ニアピン米ドルであればピン価格から上下2円、ニアピン日経平均であれば上下250円。銘柄検索画面では、銘柄名に「ニアピン米ドルr2」「ニアピン日経平均r250」のように表記されています。

<例>ニアピン日経平均r250 1442回
 1ワラント当たりの原資産数:0.4
 ピン価格: 21,000円
 満期日: 2018年4月11日

 例の銘柄は、対象原資産が日経平均、ピン価格が21,000円、満期日が2018年4月11日です。つまり、「2018年4月11日時点で日経平均の価格が21,000円程度になっていそうだ。」と予想した場合には、この銘柄を購入します。そして、実際に満期日の日経平均株価が20,750~21,250円の範囲内であれば受取金が発生します。

 ニアピンはコールやプットと同様に、満期日の前でも売却をして損益を確定させることができます。ただし、満期前の買取は満期日の前営業日の15時までとなります。

 満期日の決済金額の具体的な計算方法についてみていきましょう。

1.日経平均ニアピンの満期決済金額
 日経平均ニアピンの満期受取金額は、日経平均の満期日の始値をもとに計算されます。日経平均の満期日の始値と、日経平均ニアピンのピン価格との差額をA円とした場合、Aが250円未満のときの満期決済金額の計算式は次の通りです(Aが250円以上のときは満期受取金額は0円)。

【日経平均ニアピンの満期決済金額】
 満期決済金額 = 100 - A × 0.4

2.米ドルニアピンの満期決済金額
 米ドルニアピンの満期決済金額は、米ドルの満期日の午前9時における米ドルリンク債(米ドル対円相場に連動する債券)の価格をもとに計算されます。同時間の米ドルリンク債の価格と、米ドルのピン価格との差額をB円とした場合、Bが2円未満のときの満期決済金額の計算式は次の通りです(Bが2円以上のときは満期受取金額は0円)。

【米ドルニアピンの満期決済金額】
 満期決済金額 = 100 - B × 50

(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。