「eワラントで利益をあげる」とは? 2018/01/23



 セミナーなどでよくいただく質問の1つに「eワラントはどのようになれば利益が出るの」というものがあります。eワラント取引は有価証券取引なので、eワラントのお取引で利益を得られるのは、満期日前に購入単価よりも高い単価で売却するか、満期に受け取ることができる決済金の単価が購入単価を上回る場合です。したがって、満期日前に保有銘柄が満期決済金発生の条件を満たしていない場合(例:コールeワラントの対象(原資産)の価格が権利行使価格に未達)であっても売却金額が購入金額を上回っていれば利益になりますし、一方で満期決済金が発生しても購入金額よりも少なければ損失になります。

 eワラントのことをよくご存知の方からすると「何を当たり前のことを」とお思いになるかもしれませんが、eワラントの解説ブログなど中には、満期日に株価が権利行使価格を超えたら=満期決済金が発生したら利益になると誤った解説がされているものもあるようですのでご注意ください。

 では、どのようになればeワラントの価格が上昇するかというと様々な要因がありますが、特に大きな影響を与える要素の1つが対象原資産となっている株式や株式指数、為替などの相場の変動です。具体的には、コール型eワラントやプラス5倍トラッカーであれば購入後に対象原資産の価格が上昇する、プット型eワラントやマイナス3倍トラッカーであれば対象原資産の価格が下落するなどの事情があれば、eワラント価格にとっては上昇要因となります。

 ただし、eワラントの場合は購入価格と売却価格には価格差がありますので、eワラントの上昇分がこの価格差を上回って初めて利益となります。上昇が小幅に留まる場合は価格差分を回収できず、損失となる可能性がある点には注意が必要です。また、コール・プットの場合は一般的に時間の経過によって目減りする(時間的価値の減少)ので、対象原資産価格が購入時点より上がった・下がったとしても時間経過による目減りの影響が大きい場合には損失となる可能性があります。

 以上を考慮すると、①中長期的に時間経過による目減りを上回る大幅な上昇・下落を見込んでいる、②時間経過による目減りの影響を抑えるため短期的な急騰・急落を見込んでいるなどのときにはeワラント投資のチャンスと言えるかもしれません。

(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。