決算発表で両建て戦略を試す 2018/01/16



 間もなく2017年9-12月期の主要決算発表シーズンを迎えます。市場予想と会社発表の業績が乖離していた場合や、決算に併せて業績見通しの修正や自己株式の取得などの重要情報を発表した場合、その会社の株価は大きく変動することがあるため、決算発表を1つのイベントとして、損失限定のeワラントでハイリスク・ハイリターン投資をしてみるのも一手です。

 ただし、発表される情報を市場がどのように評価するかを正確に予想するのは非常に困難です。そのような場合はコールとプットを両建てすることで、方向性を問わず、相場が大きく変動することを収益機会として投資を行うことができます。

 具体的には同一の原資産を対象とするコールとプットを両建てします。ポジションを組む際には、満期までの残存日数が等しく、権利行使価格が現在の対象原資産価格に“等しい(又は近い)”コールとプット(ロングストラドル)、又は権利行使価格が現在の相場水準から“同程度離れた” コールとプット(ロングストラングル)を選び、コール・プットそれぞれのポジションが等金額となるように買い付けるのがポイントです。

ロングストラドル
ロングストラングル

 eワラントは損失が購入金額までに限定されている一方で、利益は無限大*となる可能性があります。そのため、コールとプットのうち、仮に一方が0となっても、他方が2倍以上に動けば値下がり部分を値上がり部分で相殺し、さらに利益が得られるという投資戦略です。実際には、満期まではeワラント価格が0となることはありませんので、一方が2倍に達せずとも、相場がどちらかに大きく動けば、合計で数%程度の利益を得られる可能性があります。
*プットの場合は原資産が0となった場合が理論上の上限となります。

 ただし、個別株式を対象としたeワラントで両建て戦略を行う場合にはいくつか注意点があります。

  • 買付候補となるコールまたはプットの取扱いがない場合があります。
  • 予想に反して相場があまり動かなかった場合や、決済前に元の水準に相場が戻ってしまった場合は、コール・プット双方とも値上がりせず、損失となる可能性があります。
  • 利益が出なかったからといって保有したままにしておいてしまうと、時間的価値の減少でさらに損失が拡大する可能性があります。
  • 東京市場の取引終了後に決算発表がある場合、東京市場の取引終了後から市場外取引または翌日の東京市場にて当該原資産の株価が付くまでの間、買いも売りもできない売買停止となる場合がありますのでご注意ください。(eワラントの価格決定要因である対象原資産の株価が推計できず、マーケット・メイクが困難となることに起因します。)

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(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。