ニアピンの応用例1 2017/03/21



ニアピンは満期日の日経平均または米ドル相場の水準を予想して、その予想に近いピン価格の銘柄を購入します。ピン価格が19,000円の日経平均ニアピンは満期日の日経平均株価(始値)がぴったり19,000円であれば1ワラントあたり100円を受取ることができます。ぴったり19,000円でなくてもピン価格から±250円の範囲の“ニアピン賞”であれば乖離幅に応じて受取りが発生します。米ドルニアピンの場合はピン価格から±2円の範囲となります。

とはいっても満期日の相場をぴったりのピンを当てるのは難しいものです。そこで今回はニアピンを複数保有して勝率を上げる方法を紹介します。本稿執筆時点(2017年3月21日16時ごろ)で2017年5月10日が満期となっているニアピンがありますので、これを活用した事例を紹介します。なお、以下の価格情報は本稿執筆時点のものです。

例えば、満期日の日経平均(始値)が19,000円から19,000円台後半のレンジに収まることを想定するならば、
Aピン価格19,250円 販売価格(売気配)10.61円を1,000ワラント
Bピン価格19,500円 販売価格(売気配)11.28円を1,000ワラント
を購入して満期まで待ちます。合計投資金額は21,890円となります。

A、Bそれぞれの満期受取金は満期日の日経平均によって次の通りとなります。

日経平均株価(円) 19,000 19,125 19,250 19,375 19,500 19,625 19,750
Aの受取金(円) 0 50,000 100,000 50,000 0 0 0
Bの受取金(円) 0 0 0 50,000 100,000 50,000 0
受取金合計(円) 0 50,000 100,000 100,000 100,000 50,000 0
損益(円) -21,890 28,110 78,110 78,110 78,110 28,110 -21,890

※満期日におけるニアピンの決済金額(受取り)の計算方法は以下の通りです
日経平均ニアピン:(100円 - ピン価格と満期参照原資産価格の乖離額 × 0.4 )× 保有ワラント数
米ドルニアピン: (100円 - ピン価格と満期参照原資産価格の乖離額 × 50 )× 保有ワラント数

合計投資金額は28,110円ですので、満期の受取金額が28,110円超となれば利益が発生します。この例では2銘柄に投資することを紹介しましたが、上下のピン価格のニアピンを購入して幅広にすることもできます。ただし、受取金発生の可能性が高まる一方で投資にかかる元手も増えるので、得られる利益は低下します。仮に同一満期日を持つ全ての種類のニアピンを購入しても、一般に投資金額の全てを回収することはできない可能性がある点には注意が必要です。

(eワラント証券)
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