10月末は両建て戦略を試すチャンスか? 2019/10/25



日本時間10月31日は、未明(現地時間30日午後)にFOMCの政策金利発表が行われます。また、正午頃には日銀の金融政策の発表、午後には黒田総裁の記者会見が予定されています。加えて、同日はイギリスのEUからの離脱期限の日でもあります。様々なイベントが重なる10月末は市場の価格変動(ボラティリティ)が大きくなる可能性があります。
※イベントの詳細や投資アイディアは「10月末は日米英でリスクイベントが発生」 を併せてご確認ください。

相場変動が大きくなることを想定するのであれば、これまでにも本コラムで何度か紹介した両建て戦略が有効となる可能性があります。来週盛り沢山のイベントを投資機会として有効に活用することができるかもしれませんので、再度振り返っておきましょう。

この両建て戦略は、上下問わず相場が大きく動くことを投資機会にすることができるものです。具体的には同一の原資産を対象とするコールとプットを両建てします。ポジションを組む際には、満期までの残存日数が等しく、権利行使価格が現在の対象原資産価格に“等しい(又は近い)”コールとプット(ロングストラドル)、又は権利行使価格が現在の相場水準から“同程度離れた” コールとプット(ロングストラングル)を選ぶのがポイントとなります。

ロングストラドル

eワラントは損失が購入金額までに限定されている一方で、利益は無限大*となる可能性があります。そのため、コールとプットのうち、仮に一方が0となっても、他方が2倍以上に動けば値下がり部分を値上がり部分で相殺し、さらに利益が得られるという投資戦略です。実際には、満期まではeワラント価格が0となることはありませんので、一方が2倍に達せずとも、相場がどちらかに大きく動けば利益を得られる可能性があります。
*プットの場合は原資産が0となった場合が理論上の上限となります。

ただし、両建ては相場がどちらかに大きく動く事に対して投資を行う手法なので、予想に反して相場があまり動かなかった場合や、決済前に元の水準に相場が戻ってしまった場合はコール・プット双方とも値上がりせず、損失となる可能性がありますのでご注意ください。また、利益が出なかったからといって保有したままにしておいてしまうと、時間的価値の減少でさらに損失が拡大する可能性があるため、イベント終了後には双方とも手仕舞ってしまうのが基本です。

(eワラント証券)
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