ニアピンeワラントとは? 2019/11/01



多くの投資商品は相場がこれから「上がるか」「下がるか」を予想するのに対して、ニアピンeワラント(以下、ニアピン)は満期日に相場が「いくらくらいになるか」というように水準を予想するタイプのeワラントです。そのため、ニアピンを使えば、相場が上にも下にも値動きしない局面でも利益を狙うことができます。

ニアピンの対象となる原資産は「日経平均株価」と「米ドル」の2種類です。
ニアピンには、権利行使価格ではなく「ピン価格」が設定されています。あらかじめ設定された満期日に、満期日の原資産価格(満期参照原資産価格といいます)がピン価格とピッタリ一致(ゴルフでいうホールインワン)であれば、1ワラント当たり100円の満期受取金額が発生します。ピン価格と一致していない場合でも、ピン価格と満期参照原資産価格の差が一定の範囲内(ゴルフでいうならニアピン賞)であれば、ピン価格と満期参照原資産価格の差に応じた金額を受け取ることができます。ただし、ピン価格と満期参照原資産価格の差が一定の範囲を超えてしまうと、満期受取金額は0円となります。

*ニアピン米ドルであればピン価格から上下2円、ニアピン日経平均であれば上下250円。銘柄検索画面では、銘柄名に「ニアピン米ドルr2」「ニアピン日経平均r250」のように表記されています。

<例>ニアピン米ドルr2 1226回
1ワラント当たりの原資産数: 50
ピン価格: 108円
満期日: 2019年11月13日

例の銘柄は、対象原資産が米ドル対円相場、ピン価格が108円、満期日が2019年11月13日です。つまり、「2019年11月13日時点で米ドル対円相場が108円程度になっていそうだ。」と予想した場合には、この銘柄を購入します。そして、実際に満期日(午前9時時点)の米ドル対円相場が106~110円の範囲内であれば受取金が発生します。

ニアピンはコールやプットと同様に、満期日の前でも売却をして損益を確定させることができます。ただし、満期前の買取は満期日の前営業日の15時までとなります。

(ちょっと上級者向け)
ニアピンはオプション戦略でいう、「ロングバタフライ」戦略をパッケージ化した商品です。ロングバタフライとは、アウト・オブ・ザ・マネーのコールとプットの買いと、アット・ザ・マネーのコールとプットの売りを組み合わせた戦略でです。eワラントは基本的にオプションの買いと同様の経済効果を持ちますが、ニアピンはeワラントで唯一オプション売りを包含した商品です。

(eワラント証券)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。