価格が低い銘柄の注意点 2018/02/27



 eワラントの銘柄を眺めていると対象原資産が同じでも価格が高いものと価格が低いものがあることが分かります。「日経平均のコールでも○回より□回の方が割安だな、こっちにしよう」といって飛びつくのは危険です。

 現物株では同一の銘柄が複数の取引所に上場している場合、価格に乖離があれば安値をつけていると取引所では上昇し、高値をつけている取引所では下落すると一般的に考えられますが、eワラントの場合、同じ対象原資産でも条件(権利行使価格や満期日など)が異なれば別の銘柄です。冒頭の日経平均コール○回と日経平均コール□回は名前こそ似ていますが別の銘柄なのです

 eワラントの価格は満期日に受取ることができる金額を残存日数で割り引いたものと考えることができます。eワラントの現値が高いということは満期日に受取る金額の期待値が高いということで、逆に現値が低いということは満期日に受取る金額の期待値が低いということです。

 特に価格が低い銘柄には注意が必要です。価格が低い理由としては、例えば、満期日までの残存日数が少ないこと、権利行使価格が現在の対象原資産の価格から離れていることなどが挙げられます。さらに、一般的に価格が低い銘柄は対象原資産の価格変動に対する感応度(デルタ)が低くなる傾向があります。感応度(デルタ)が低いというのは、対象原資産が変動してもeワラントの価格が反応しにくい、ということです。

 ではいくらから価格が高い、低いを判断すればよいかということですが、目安として単価が3円を下回っている場合は低価格のeワラントとして注意が必要です。なお、レバレッジトラッカーの場合、価格が低い銘柄ほど自動ロスカットの可能性(買取価格が1円を下回った場合に発動)が高まりますのでこの点にも注意が必要です。

(eワラント証券)
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