プット・コールレシオは底入れを示唆 2014/05/26



日経平均株価は14,000円を割ることはなく堅調に推移しています。投資家が強気に転じつつあるという報道も見られますが、その文脈の中でプット・コールレシオが紹介されることも見られました。プット・コールレシオはオプション取引においてプットとコールのいずれが多く取引されているかという売買動向だけでなく、株式市場の過熱感を見ることもできます。

ただ、注意しなければならないのが、取引所のデータを元にしたプット・コールレシオでは投資家のビューを見ることはできないと考えられます。なぜなら、取引所のオプション取引では投資家はオプションの売り手となることができるからです。例えばコールオプションを買う投資家は原資産に強気のビューを持っていますが、コールオプションを売る投資家は強気のビューを持っていません。コールオプションの売買が増えることはコールオプションの買い手だけでなく、相場に弱気なコールオプションの売り手も増えていることになるのです。

一方、eワラント証券で公開しているプット・コールレシオ(ホームページメニューの「無料ツール」でご覧いただけます)はeワラントの売買データを元にしています。eワラント投資家は常にコールeワラント又はプットeワラントの買い手となり、取引に応じるマーケットメーカーは常に売り手となります。マーケットメーカーは独自の相場観を持つことはなく、投資家の買いに対して原資産の取引市場でヘッジ取引をしています。eワラント投資家は新規の売り手にならないため、eワラントのプット・コールレシオは純粋に投資家のビューを反映しているといえるのです。

さて、eワラント証券のプット・コールレシオですが、5月20日に0.58という直近のピークをつけました。相場の底ではピークを形成する傾向があることから、日本の株式相場が強気に転じた可能性があります。プット・コールレシオが急低下するまでの間は日本株やeワラントのコール、プラス3倍トラッカーを買い持ちするという投資戦略が有効かもしれません。プット・コールレシオが急低下した場合は調整局面を迎える可能性がありますので、その際は、買い持ちしているポジションは手仕舞う、プットeワラント又はマイナス3倍トラッカーを購入する、というトレードが有効でしょう。目安となる水準ですが、過去の実績を見るとプット・コールレシオが0.10を下回る場合には相場の急落に注意が必要です。

(eワラント証券)
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