ニアピンの使い方 2015/10/05



コールやプットは満期保有を前提とせず、利食い・損切りをマメにするのがポイントとなることはこのコラムでも紹介していますが、ニアピンは満期保有を前提とした投資もOKです。ニアピンは満期日の日経平均または米ドル相場の予想して、その予想に近いピン価格の銘柄を購入する一味ちがったeワラントです。ピン価格が18,000円の日経平均ニアピンは満期日の日経平均株価(始値)が18,000円であれば1ワラントあたり100円を受取ることができます。ぴったりの18,000円でなくてもピン価格から±250円の範囲の“ニアピン賞”であれば乖離幅に応じて受取りが発生します。米ドルニアピンの場合はピン価格から±2円の範囲となります。

とはいっても将来の相場をぴったりのピンを当てるのは難しいものです。そこで今回はニアピンを応用して勝率を上げる方法を紹介します。本稿執筆時点(2015年10月5日午後1時前後)で2015年11月18日が満期となっているニアピンがありますので、これを活用した事例を紹介します。なお、以下の価格情報は本稿執筆時点のものです。

例えば、満期日の日経平均がおよそ17,500円超18,250円未満のレンジに収まることを想定するならば、
Aピン価格17,750円 販売価格(売気配)6.77円を1000ワラント
Bピン価格18,000円 販売価格(売気配)7.09円を1000ワラント
を購入して満期まで待ちます。合計投資金額は13,860円となります。

A、Bそれぞれの満期受取金は満期日の日経平均によって次の通りとなります。

日経平均株価(円) 17,500 17,625 17,750 17,875 18,000 18,125 18,250
Aの受取金(円) 0 50,000 100,000 50,000 0 0 0
Bの受取金(円) 0 0 0 50,000 100,000 50,000 0
受取金合計(円) 0 50,000 100,000 100,000 100,000 50,000 0
損益(円) -13,860 36,140 86,140 86,140 86,140 36,140 -13,860

※満期日におけるニアピンの決済金額(受取り)の計算方法は以下の通りです。
日経平均ニアピン:(100円 - ピン価格と満期参照原資産価格の乖離額 × 0.4 )× 保有ワラント数
米ドルニアピン: (100円 - ピン価格と満期参照原資産価格の乖離額 × 50 )× 保有ワラント数

合計投資金額は13,860円ですので、満期の受取金額が13,860円超となれば利益が発生します。この例では2銘柄に投資することを紹介しましたが、上下のピン価格のニアピンを購入して幅広にすることもできます。ただし、受取金発生の可能性が高まる一方で投資にかかる元手も増えるので、得られる利益は低下します。仮に同一満期日を持つ全ての種類のニアピンを購入しても、一般に投資金額の全てを回収することはできない可能性がある点には注意が必要です。

(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。