eワラントの満期は権利の有効期限? 2019/03/26



eワラントを初めて取引する方の中には、満期日までeワラントを保有して満期決済金が発生したら利益になると思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、満期決済金が発生するからといって利益になるとは限りません。

eワラントの取引で利益を得られるのは、満期日前に購入単価よりも高い単価で売却するか、1ワラントあたりの満期決済金の単価が購入単価を上回る場合です。

満期日前に保有銘柄が満期決済金発生の条件を満たしていない場合(例えば、コール型eワラントの対象となっている相場(対象原資産)の水準が権利行使価格以下)であっても売却金額が購入金額を上回っていれば利益になりますし、一方で満期決済金が発生しても購入金額よりも少なければ損失になります。

eワラントで利益を得るには、買付け後に株価など対象原資産の価格が変動するなどの要因によってeワラントの価格が上昇する必要があります。この考え方は株式やFXなど他の投資商品と同じような感覚です。

ただし、eワラントの場合は購入価格と売却価格には価格差(売買スプレッド)があること、また、コール型/プット型eワラントの場合は一般的に時間の経過によって目減りする(時間的価値の減少)ので、対象原資産の価格が買付け時点より上がったとしても時間経過の目減りの影響のほうが大きい場合には損失となる可能性があります。

他の金融商品、例えば定期預金や保険などでは「満期日」というと投資元本が増えて返ってくるというポジティブなイメージをもたれている方は多いかと思いますが、eワラントの取引において「満期日」はむしろ権利がなくなってしまう「有効期限」や「消滅日」くらいのイメージを持っておいたほうが良いかもしれません。eワラントの取引においては満期保有を前提とするのではなく、利食いも損切りも満期日前に行うことを基本に考えたほうがよいでしょう。

(eワラント証券)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。