eワラントの価格が低い、とは? 2019/08/23



eワラントの銘柄を眺めていると対象原資産が同じでも価格が高いものと価格が低いものがあることが分かります。「日経平均のコールでも○○回より△△回の方が割安だな、こっちにしよう」といって飛びつくのは危険です。eワラントの場合、同じ対象原資産でも条件(権利行使価格や満期日など)が異なれば別の銘柄です。そして、その条件の違いが価格の違いをもたらしています。

eワラントの価格は満期日に受取ることができる金額を残存日数で割り引いたものと考えることができます。eワラントの現値が高いということは満期日に受取る金額の期待値が高いということで、逆に現値が低いということは満期日に受取る金額の期待値が低いということです。「価格が低い」=「割安」なわけではありません。

特に極端に価格が低い銘柄には注意が必要です。価格が低い理由としては、例えば、満期日までの残存日数が少ないこと、権利行使価格が現在の対象原資産の価格から離れていることなどが挙げられます。

さらに、一般的に価格が低い銘柄は対象原資産の価格変動に対する感応度(デルタ)が低くなる傾向があります。感応度(デルタ)が低いというのは、対象原資産が変動してもeワラントの価格が反応しにくい、ということです。つまり、極端に価格が低い銘柄は、値上がりが見込みにくく、満期日には価格がゼロとなる可能性の高い、ハイリスクの銘柄とも言えそうです。

ただし、このような銘柄は、満期までの残り少ない期間中に、対象原資産が大きく変動し権利行使価格に近づけば、価格が大幅に上昇する可能性を秘めた銘柄でもあります。過去に100倍を越えるような上昇を記録したeワラントのほとんどはこのようなタイプのeワラントでした。

ではいくらから価格が高い、低いを判断すればよいかということですが、目安として単価が1円を下回っている場合は低価格のeワラントとして考えておいたほうがよいでしょう。繰り返しになりますが、このような銘柄はリスクの高い銘柄でもあるので、投資をする際にはリスクの管理可能な資金で行うようにご注意ください。

(eワラント証券)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。