権利行使価格と値動きの関係 2015/10/20



eワラントセミナーで投資家の方から、銘柄が多くてどれを選んだらよいか分からない、というご質問を受けることがあります。確かに日経平均を対象としたコールeワラントでも29銘柄あり(10/19時点)、どれを選んだらよいのかイメージがわきにくいかもしれません。そこで今回は日経平均のコールeワラントを例にどの権利行使価格を選んだらよいのか、という点に触れたいと思います。

この図は2015年10月14日に満期を迎えた日経平均コールを3銘柄ピックアップしたものです。黄緑色の線は日経平均の参照原資産価格(左軸)です。黄色の線が日経平均コール857回(権利行使価格13,000円)、ピンクの線が日経平均コール871回(権利行使価格17,500円)、水色の線が日経平均コール878回(権利行使価格20,500円)です。日経平均参照原資産価格を除く、3銘柄を共通期間で比較するため2014年10月20日を100として比較しています。(この図はeワラントチャートhttp://svc.qri.jp/services/ewarrant/chart.jspの比較チャート機能を用いています。比較チャートを利用の仕方についてはパソコンでご覧いただき、右上のヘルプをご参照ください。)

図1

この期間において、日経平均は2014年10月の15,000円台から始まり2015年8月10日には20,900円を超え、満期日にかけては下落して満期日の参照原資産価格は18,106.66円となりました。各銘柄ともコールなので日経平均が上昇基調だった2015年8月10日までは基準値の100を超えて値上がりしていましたが、上昇率には違いがあります。

一番大きく上昇したのはピンクの線(権利行使価格17,500円)で一時400を越えていました(つまり4倍超)。2番手は6月までは水色の線(権利行使価格20,500円)でしたが、7月8日に日経平均が大幅に下落し20,000円を割り込むとその後は黄色の線(権利行使価格13,000円)に抜かれています。8月10日以降日経平均の水準が18,000円台に落ち込むとピンクの線と水色の線は大きく落ち込み、満期日を見ると黄色の線(権利行使価格13,000円)が200近傍で約2倍のパフォーマンス、ピンクの線(権利行使価格17,500円)は100近傍でほぼトントン、水色の線(権利行使価格20,500円)は0となり投資元本の全てを失いました。

ここから分かることとして、
 ① 一般的に権利行使価格が高いほど価格変動が大きい。
 ② 半年~1年程度で日経平均の上昇を見込むなら黄色の線のように権利行使価格はなるべく低い銘柄を選ぶ。
 ③ 大きなリターンを狙うならピンクの線のように権利行使価格が日経平均株価よりやや高めの銘柄を選ぶが、400→100になったように値動きが大きいので利食いと損切りを徹底する。
 ④ 権利行使価格が高い青の線の銘柄は避けた方がよい、投資するにしても数日から1週間程度の短期にした方がよい。
ということになるでしょう。満期までの期間は長めの相場観なら長め、短めの相場観なら短めの銘柄を選びましょう。

(eワラント証券)
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