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株式に強気、でも下落が心配-プットで保険を掛ける方法 2014/06/09
日経平均株価が15,000円台を推移しているなか、市場関係者の中にはさらに高値を予想する声も出始めているようです。様子見している投資家の中には、買いたいけど買った直後に急落が起きるのでは、とか、既に保有している株式をそのまま持ち続けて良いものか、と心配されている方もいらっしゃるのではないかと思います。
相場に強気のビューは持っているけれども、万が一の相場の急落には備えておきたいという場合、対象原資産が下落した際に上昇が期待できるプットeワラントを使って「下落に備える保険」を掛けておくのも一案です。
「下落に備える保険」をするには、具体的には、「①何の下落に備えるのか」、「②どのeワラントを使うのか」、「③使う数量」を考える必要があります。以下に具体例をあげます。なお、銘柄や価格に関する情報はいずれも2014年6月9日現在です。
例えばトヨタ株を保有している方が、「①トヨタ株の下落に備えて」、「②トヨタプットeワラントを使う」、ことを考えます。トヨタを対象原資産とするプットには本稿執筆現在8銘柄ありますが、プットeワラントの初心者の方にとっては、どの権利行使価格の銘柄を選べば良いか悩ましいところです。そのような方におススメなのは、権利行使価格が高めで、取引価格が3円程度以上になっている銘柄を選ぶと良いでしょう。eワラントホームページで表示されているリスク度でしたら若葉マークか唐辛子1本の銘柄に該当します。
ではどれだけの「③数量」を買付すればよいのでしょう?トヨタプット165回(権利行使価格6,000円、満期日2014年12月10日)という銘柄を見ると、「1ワラント当たり原資産数」は0.005とありますので、トヨタ株を100株保有しているとき、20,000ワラント(=100株÷0.005)あればトヨタ株100株となりそうですが、eワラントと株価の連動性を示す「デルタ」も見る必要があります。
この銘柄のデルタは-0.50とあります。-0.50というのはトヨタ株1株が1円動くと、このeワラントは-0.5円、50%反対に動くということになります。プットの場合はマイナス、コールの場合はプラスです。20,000ワラントを保有してもデルタが-0.50なので、トヨタ株の50%の保険がかかっていることになります。保有株に100%保険を掛けるのであれば40,000ワラント(=20,000ワラント÷0.5(デルタの絶対値))となります。
トヨタ株を100株(588,300円=現値5,883円×100株)、トヨタプット165回を40,000ワラント(142,000円=買取価格現値3.55×40,000ワラント)保有しているときトヨタ株が5%下落すると、トヨタ株の含み損は29,415円(588,300円×-5%)、トヨタプット165回の含み益の試算額は29,465円(=142,000円×-5%×ワラントレバレッジ(実効ギアリング)-4.15)となり、下落に保険を掛けられていることがわかります。
この例では下落をフルヘッジすることを考えましたが、購入するワラント数を減らして含み損の一部をカバーするということもできます。また、株の急落がなかったとしても、満期日までの期間でしたら購入したプットeワラントを時価で買い取ってもらうことができますので、下落に備える期間を過ぎたら手仕舞いましょう。掛け捨ての保険のつもりでも、満期日前に手仕舞うことで「下落に備える保険投資」に使った資金をいくらか回収できると思われます。
なお、この例では株式の取引に係る手数料、税金、eワラントの取引において発生する購入価格と売却価格の価格差(売買スプレッド)は考慮されておりません。さらに、eワラントの含み益の試算に用いたワラントレバレッジ(実効ギアリング)は対象原資産の価格の変動や時間経過、予想変動率(ボラティリティ)の変化等に伴って変動します。これらの指標を投資に用いる場合には、短期間の、対象原資産の価格の変動の程度が極めて小さい場合に限って有効であることに注意が必要です。
(eワラント証券)
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