投資スタンスにあった銘柄の選び方 2016/09/28



 eワラントは投資スタンスによって選ぶ銘柄が異なります。数日以内の短期間でハイリスク・ハイリターン投資をお考えの方向けの銘柄選定方法と、数週間~数ヵ月単位で投資をお考えの方向けの銘柄選定方法についてご案内します。

■短期のハイリスク・ハイリターン投資をお考えの方
 一般的にeワラントのコールとプットは他の条件が一定の場合、時間経過にともなって価格が減価していく特性があり(時間的価値の減価)、取引価格に対する影響は満期日までの期間が短いほど大きくなります。その反面、例えば株価が権利行使価格を越えるか超えないかの微妙な位置にあって満期日まで1ヵ月を切っているような銘柄は、コールの場合は株価が急騰すると、プットの場合は急落すると、eワラントの価格が大きく動くことがあるため、ハイリスク・ハイリターン銘柄といえるでしょう。

 具体的には上昇を見込むのであれば権利行使価格が現在の株価や為替相場などの対象原資産の価格よりもやや高めのコールを、下落を見込むのであれば権利行使価格が現在の株価や為替相場などの対象原資産の価格よりもやや低めのプットを選びます。満期日まで保有することは想定していないので、対象原資産の価格が権利行使価格に近づきさえすれば急騰が狙える、というものです。

 決算発表や重要度の高い経済指標の発表など、重要イベントを控えているとき試してみるのも一手です。ただし、相場が大きく動かない場合は時間経過による減価の方が大きくなり損失となりますので、あくまでも短期間での投資に向いた手法です。利食いも損切りも早めに行うことがコツといえます。

■数ヵ月単位のスパンで投資をお考えの方
 eワラントの中でもワラントレバレッジ(実効ギアリング)が高い銘柄は特に値動きが大きいため、このような銘柄は中長期の投資には向きません。このような銘柄を取引される場合は相場状況を頻繁にチェックしながら利食いと損切りを早めに行うことをお勧めします。また、eワラントのコール/プットは他の条件が変わらず、時間だけが経過した場合に価格が低下する「時間的価値の減少」がありますので、購入してからほったらかしにするのはNGです。

 常に相場を見ることができない場合や中長期投資をお考えの場合、ワラントレバレッジ(実効ギアリング)が低く、さらに時間的価値の減少の影響が比較的小さい銘柄を選んでみてはいかがでしょうか。コールの場合は権利行使価格が低い銘柄、プットの場合は権利行使価格が高い銘柄が該当します。満期日までの残存期間もなるべく長い銘柄を選び、満期日の1ヵ月前後で一旦売却し、同じ対象原資産でより満期日が先に設定されている銘柄に乗り換える(いわゆるロールする)ことで中長期投資ができるでしょう。対象原資産は限られていますが、○○プラス5倍トラッカー/○○マイナス3倍トラッカーのレバレッジトラッカーでしたら時間的価値の減少はありませんので、中長期投資をお考えの方に向いていると思われます。

 満期日前までのeワラントの価格は市場情勢を反映して決められますので、満期まで保有した方が有利・不利ということはありませんが、値動きの大きさや時間的価値の減少を考慮すると満期保有は前提とせず満期日前に売却するのが短期・中長期に限らずeワラントの取引で成功のコツと言えるでしょう。

(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。