外部環境が不透明なときこそプットの備え 2018/08/07



 米国と中国の貿易摩擦は双方の報復合戦の様相を呈してきています。世界1,2位の経済大国の通商問題は世界経済に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、米国はEUやロシア、中国と共にイランとの間で結んだ核合意を破棄し、経済制裁を再開することを表明しました。再び中東発の地政学リスクが強く意識されるかもしれません。相場に先行き不透明感があるときや、下落トレンドにあるときは投資を控えるというのも一手ですが、プット型eワラントやマイナス3倍トラッカーを活用して保有株の下落に備えたり、利益の獲得を狙うこともできます。

 相場の下落を期待するのはどうも・・・と躊躇される方もいらっしゃるかもしれませんが、長期保有目的の株式をお持ちの場合、レバレッジのかかったプットなどを一時的に保有して価格変動リスクにさらされている部分を減らすという考え方もできます。また、相場は上昇するときは少しずつゆっくり上がる傾向があるのに対して、下落するときのスピードは早い傾向があります。タイミングを捉えることが重要になりますが、プット型eワラントやマイナス3倍トラッカーを利用すれば短期で大きな利益を出せる可能性があります。

 プット型eワラントは初心者、という方でしたら権利行使価格は高め、満期日までの期間は長めのものにします。ワラントレバレッジ(実効ギアリング)はコール型eワラントの場合はプラスですが、プット型eワラントの場合はマイナスとなります。マイナス値が大きいほど(絶対値が大きいほど)レバレッジ水準は高くなります。相場が上昇しても下落してもしっかり手仕舞い売りができる方でしたら満期日までの期間が短めの銘柄を選んでもよいでしょう。

 マイナス3倍トラッカーは一般的にプット型eワラントほどレバレッジは高くありませんが、その代わり時間的価値の減価がありませんので、買付時と売却時(または満期日)を比較して対象原資産の価格に変化がなければマイナス3倍トラッカーの買取価格(お客様の売却価格)は一般的に戻ってきます(ただし、自動ロスカットが実行された場合、配当落ちがあった場合などを除く。なお、買付価格と売却価格にはスプレッドがあります)。高レバレッジのプット型eワラントは怖い、という方に向いているかもしれません。

 以上を用途ごとにまとめると次のとおりになります。
① 下落相場で積極的に利益を狙いたい場合・・・プット型eワラントを短期売買する。
② 保有株の下落に備えておきたい場合・・・マイナス3倍トラッカーを備えておきたい期間中保有する。

 相場が不透明なときこそプット型eワラント、マイナス3倍トラッカーをご活用ください。

(eワラント証券)
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