五十日(ごとおび)はドル高株安? 2014/06/02



「今日は五十日(ごとおび)だから道路が渋滞してるわ~」とか、「銀行でお金を下ろそうとしたら五十日だからATMが大混雑でさ~」という話を聞いたことがある人もいるだろう。五十日は毎月の5日、10日、15日、20日、25日と、30日もしくは末日のことで、事業会社が取引決済日にすることが多いことから道路や銀行が混雑するといわれている。

投資の世界では海外と取引している企業が決済のためにドルを買うことが多いとされ、五十日には円安・ドル高になりやすいというアノマリー(理論的には説明のつかない現象)があるとされる。それなら為替に影響を受ける株価にも何かしら五十日アノマリーがあってもおかしくない。そこで2009年から2014年5月29日までの日経平均株価と米ドル対円相場の変動率について、五十日とそれ以外の日で調べてみた。なお、毎月の取引所最終営業日が5の倍数でない場合は五十日に含めていない。

検証の結果、日経平均株価は五十日の平均が-2.1%(年率)、それ以外の日の平均が14.2%(年率)で、米ドル対円相場は五十日の平均が3.9%(年率)、それ以外の日の平均が0.7%(年率)であった。この期間において米ドル対円相場は五十日アノマリーのとおりとなったが、日経平均株価は五十日に安いというちょっと意外な結果となった。

また、五十日に値動きは激しくなるのか?ということも気になるので標準偏差も調べてみた。標準偏差が大きいほど価格変動が大きいということになる。日経平均株価の標準偏差は五十日が24.4%(年率)、それ以外の日の平均が21.6%(年率)で、米ドル対円相場の標準偏差は五十日が10.3%(年率)、それ以外の日の平均が9.9%(年率)であった。日経平均株価、米ドル対円相場も五十日はやや変動が大きくなるという結果となった。

まとめると、五十日には値動きを伴って米ドル対円相場は上昇する傾向があるが、日経平均株価は下落する傾向がある、といえるかもしれない。五十日の前に米ドル高型(米ドルリンク債コール)や日経平均プットを買い、五十日に手仕舞う。または、五十日に米ドル安型(米ドルリンク債プット)や日経平均コールを買い、次の五十日の前に手仕舞う、という五十日トレーディングが有効かもしれない。五十日ごとにトレードするので、なかなか利食い・損切りができない投資家向きの戦術といえるだろう。

(eワラント証券)
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