またボラティリティが急上昇することを予想するなら 2020/08/14



eワラントの価格決定要因の1つに対象となる相場のボラティリティが挙げられます。他の条件を同一とした場合、ボラティリティが高くなるとコール・プット共に買取価格が上がり、ボラティリティが低くなると買取価格が下がります。

ボラティリティ(Volatility)とは、一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、価格が上下に激しく動く相場は「ボラティリティが高い」、相場に方向感がなく値動きが小さい状況を「ボラティリティが低い」ということがあります。有名なボラティリティ(ここでは市場で想定されている値動きの大きさ=インプライド・ボラティリティ)の指標としては、日経平均のボラティリティを表す日経平均ボラティリティ・インデックス(日経VI)や、米国のS&P500のボラティリティを表すVIXというものがあります。

ボラティリティは値動きの大きさを指すので、相場が上昇しているか、下落しているかとは別の話ですが、経験則的には相場は緩やかに上昇する一方で下落は急に起こる傾向があるので、下落時にボラティリティが急上昇することが多いように思われます。

3月の株価急落(コロナ・ショック)を受けて、VIX・日経VIは一時大きく上昇しましたが、4月以降、株価が回復する中で、いずれもピークに比べて大きく下落をしています(過去数年の水準に比べるといまだ高い水準にはありますが)。今後、再度の相場の急変動を予想するのであれば、今のうちにコールやプットを仕込んでおくのも一手です。対象原資産の変動のみならず、ボラティリティの上昇でも値上がりを期待できるかもしれません。

ただし、相場が急変動せず時間だけが経過した場合には、時間経過による価格の下落により損失が発生してしまうことがある点には注意が必要です。投資する際には、管理可能な金額の範囲内で行うのが良いでしょう。

(eワラント証券)
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