株価の下落に保険をかけるプットの活用法 2017/08/01



 主要企業の4-6月期決算が続々と発表されています。発表される決算情報の内容によっては、発表前後で株価が大きくギャップアップすることもありますが、逆にギャップダウンしてしまうこともあり、対象企業の株式を保有している投資家からすると期待半分・不安半分というところではないでしょうか。既に含み益が出ている状態であれば、利益確定の売りをすることで株価下落のリスクを排除することも可能ですが、決算後に株価が上昇したら得られるかもしれない収益を手放すことになります。

 現物株とeワラントやオプションを組合せた投資戦略の一つにプロテクティブ・プットという戦略があります。保有する現物株の数量に相当するプットを保有する投資戦略のことで、現物株の価格上昇を期待しつつ、株価下落による損失を限定する効果が得られます。

 eワラントやオプション(買い)は利益は無限大(プットの場合は原資産価格0円の場合が理論上の上限)である一方、損失は投資元本までに限定されています。そのため、満期日に株価が上昇していた場合には現物株のみを保有していた場合に比べて合成ポジションの利益はプットの購入額分利益が圧縮されてしまいますが、満期日に株価が下落していた場合には現物株の損失をプットの利益が相殺し合成ポジションの損失を一定額に限定することができます。

 eワラントで株価の下落に保険をかける際には買付数量に注意しましょう。eワラントは少額から投資ができるように原資産に応じて小口化されておりますので、保有する株式全てに保険をかけるためには小口化係数である「1ワラント当たり原資産数」で割り戻す必要があります。例えば、8/7(月)に決算発表を控えるソフトバンクグループ(9984)を100株保有している場合に、その株価下落による損失を限定するのであれば、100株(保有株式数)÷0.005(1ワラント当たり原資産数)=20,000ワラントのソフトバンクグループを対象としたプットを買い付けます。 ※1ワラント当たり原資産数は対象原資産ごとに異なります。

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(eワラント証券)
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