日経平均の値動きを予想した銘柄の選び方 2017/08/15



 日経平均は値動きの小さいレンジ相場が続いていましたが、8月8日から8月14日まで4営業日続落と少しずつ値動きが出てきた感があります。eワラント投資のコツの1つは値動きのある原資産を選択することですので、今後日経平均の値動きが出てくることを想定するのであれば、日経平均を対象としたeワラントを活用することで収益機会とすることができるかもしれません。

 しかし、同じ日経平均を対象としたeワラントだとしても、お客様の投資スタンスや相場観によって選ぶべき銘柄が異なります。具体的には、数日以内の短期間での急騰・急落を想定する場合の銘柄選定方法と、数週間~数ヵ月単位での上昇・下落トレンドを想定する場合の銘柄選定方法は異なります。

■短期間での急騰・急落を想定する場合
一般的にコール型・プット型ワラントは他の条件が一定の場合、時間経過にともなって価格が減価していく特性(時間的価値の減少)があります。そして時間的価値の減少がeワラント価格に与える影響は満期日までの期間が短いほど大きくなります。その反面、例えば株価が権利行使価格を越えるか超えないかの微妙な位置にあって満期日まで1ヵ月を切っているような銘柄は、コールの場合は株価が急騰すると、プットの場合は急落すると、eワラントの価格が大きく動くことがあります。

 この特性を活かして短期のハイリスク・ハイリターン投資を行ってみるのも一手です。具体的には上昇を見込むのであれば権利行使価格が現在の対象原資産価格よりもやや高めのコールを、下落を見込むのであれば権利行使価格が現在の対象原資産価格よりもやや低めのプットを選びます。想定どおり数日中に原資産価格の急騰・急落があれば、eワラント価格の急上昇が狙える、という投資戦略です。

 決算発表や重要度の高い経済指標の発表など、重要イベントを控えているとき試してみるのも良いでしょう。ただし、相場が大きく動かない場合は時間経過による減価の方が大きくなり損失となりますので、あくまでも短期間での投資に向いた手法です。利食いも損切りも早めに行うことがコツといえます。

■数ヵ月単位の上昇・下落トレンドを想定する場合
上記のような銘柄は値動きは大きいですが、時間的価値の減少の影響も大きいため、中長期的に保有するには向きません。そのため、中長期の上昇・下落を想定する場合はワラントレバレッジ(実効ギアリング)が低い銘柄を選んでみてはいかがでしょうか。ワラントレバレッジが低い銘柄は、満期日までの残存期間が長く、コールの場合は権利行使価格が低い銘柄、プットの場合は権利行使価格が高い銘柄が該当します。

 また、対象原資産は限られていますが、レバレッジトラッカー(プラス5倍・マイナス3倍)は、時間的価値の減少がなく、長期間の保有に適していると言えるかもしれません。

 トレンド継続中は保有、終了後に売却とすることで、時間的価値の減少を比較的軽微に抑えながら、中長期的な対象原資産の価格変動による利益を享受することができるかもしれません。さらに長いトレンドに備えるのであれば、満期日の1ヵ月程前に一旦売却し、同じ対象原資産でより満期日が先に設定されている銘柄に乗り換える(いわゆるロールする)取引を検討してみるのも良いでしょう。

(eワラント証券)
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