イベント時は両建て戦略のチャンス 2017/06/06



 6月8日にはイギリスの総選挙が行われるほか、ECBの政策金利の発表やいわゆるロシアンゲート事件に関わる前FBI長官の議会証言などの政治イベントが予定されています。また、同日は相場が荒れるといわれるメジャーSQの最終取引日でもあり、市場の価格変動(ボラティリティ)が大きくなる可能性があります。
* イベントの詳細や投資アイディアは「4大イベントが同時発生する8日の投資戦略」を併せてご確認ください。

 相場変動が大きくなることを想定するのであれば、これまでにも本コラムで何度か紹介した両建て戦略が有効となる可能性があります。今週盛り沢山のイベントを投資機会として有効に活用することができるかもしれませんので、再度振り返っておきましょう。

 この両建て戦略は、上下問わず相場が大きく動くことを投資機会にすることができるものです。具体的には同一の原資産を対象とするコールとプットを両建てします。ポジションを組む際には、満期までの残存日数が等しく、権利行使価格が現在の対象原資産価格に“等しい(又は近い)”コールとプット(ロングストラドル)、又は権利行使価格が現在の相場水準から“同程度離れた” コールとプット(ロングストラングル)を選ぶのがポイントとなります。

ロングストラドル
ロングストラングル

 eワラントは損失が購入金額までに限定されている一方で、利益は無限大*となる可能性があります。そのため、コールとプットのうち、仮に一方が0となっても、他方が2倍以上に動けば値下がり部分を値上がり部分で相殺し、さらに利益が得られるという投資戦略です。実際には、満期まではeワラント価格が0となることはありませんので、一方が2倍に達せずとも、相場がどちらかに大きく動けば利益を得られる可能性があります。
* プットの場合は原資産が0となった場合が理論上の上限となります。

 ただし、両建ては相場がどちらかに大きく動く事に対して投資を行う手法なので、予想に反して相場があまり動かなかった場合や、決済前に元の水準に相場が戻ってしまった場合はコール・プット双方とも値上がりせず、損失となる可能性がありますのでご注意ください。また、利益が出なかったからといって保有したままにしておいてしまうと、時間的価値の減少でさらに損失が拡大する可能性があるため、イベント終了後には手仕舞ってしまうのも肝要です。

(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、eワラント証券は一切責任を負いません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。