変わらないもの 2016/07/13



 「三つ子の魂百まで」といわれるぐらい、考え方や行動パターンは変わりにくいものです。心配性の方は、「勤務先が倒産したら」、「急病になったら」、「滑って転んで骨を折ったら」などと心配の種が尽きません。お金持ちなら心配性が治るかというと、そうでもなさそうです。数百億円もの資産があっても、金利低下で利息収入が減り、株価急落で損失が出るかと思うと、最近は不安で夜も寝られない方もいるとか。

 さらに気をつけなければならないのが、自分の見方に凝り固まると相手の反応を読み間違えてしまう可能性があることです。これはよく言えば「考え方がブレない」のですが、逆を言えば「想像力に欠けてきている」ともいえます。最近、ちょっと気になったのが、某政治家の英EU離脱が決まった直後の発言。

 「日本はファンダメンタルズがしっかりしているから、全く問題がない」
とおっしゃっていました。仮にそうだとしても、海外の投資家からみると
 「そうか、日本は大丈夫なのか。じゃあ、英ポンドやユーロを売って、日本円を買っておこう」
という考えに確信を持つことになります。その結果、これが更なる円高を招いて、日本経済を減速させる結果になり、混乱を沈静化したいという意図とは逆方向に作用してしまいます。
 円高誘導しないための“正しい”発言は、おそらく、
 「日本経済は英EU離脱によってもたらされる世界経済の減速に対して極めて脆弱だ。だから、これから積極的な財政出動も、法人税減税も、ヘリコプターマネーもできることからなんでもやっていく。!キッパリ!」
というものだったでしょう。それを聞くと海外の大口投資家は
 「まずい、日本は本気で円安誘導するぞ。円買いは危険だ。でも日本株は買いか。じゃあ、日本株買いで為替はヘッジで円売り(ショート)にしよう」
となったことでしょう。

 投資でも実生活でも、自分の考え方や行動パターンはなかなか変わらず、多くの方の反応を予想するときには、自分の見方がブレないと自信をお持ちの方ほど読み間違う可能性が高いと肝に銘じておいたほうがよさそうです。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)