タイプ 2016/08/24



 オプション理論をかじって途中で「???」となることが多いのが、オプションの「type(タイプ)」と「style(スタイル)」の違いです。オプション理論ができあがった英語の世界のお約束では、オプションのtype(タイプ)には原資産の価格が上昇したら儲かる「Call(コール)」と下落したら儲かる「Put(プット)」があります。また、「style(スタイル)」には、満期日までのいつでも権利行使できる「アメリカン・スタイル(American Style)」、満期日だけしか権利行使できない「ヨーロピアン・スタイル(European Style)」があります。

 ところが不思議なことにそれらを邦訳してオプション用語が出来上がった日本では、「European style」が「ヨーロピアン・タイプ」に、「American style」が「アメリカン・タイプ」と呼ばれています。一方、元来の「type」であったコールやプットの別はなんと呼ばれているかというと、こちらはオプションの「種類」、「種別」などなっているようです。つまり、英語の「style」が「タイプ」になり、「type」が「種類」になってしまったことになります。

 なぜこうなったのかは分かりませんが、想像するなら、最初に和訳した専門家が「日本語ではスタイルと言うと“容姿”を連想してしまいそうだから、とりあえず「タイプ」と呼んでおこう」などと考え、それが金融機関の商品説明や関連書籍で用いられることを繰り返すうちに、誤用が根付いてしまったと考えられます。

 「とりあえず」や「当面これで」という意図であっても、それが一旦根付いてしまうと修正はまずムリなのは、投資の悪習も言語も似たようなものなのかもしれません。一歩先に進むには、まずあるべき姿を知ることから。難しい相場だけに、「どういうポジションにしておくべきか」というあるべき態勢を考えるところからはじめる必要がありそうです。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居 雅紹 (どい まさつぐ)